印刷を外注するコストは、印刷設備を導入して自社印刷に切り替えることで抑えられます。では、具体的にどのようなポイントでコスト削減が可能なのでしょうか?ここでは、インクジェットメディアを用いた自社印刷に切り替えるメリットと、その出力メディアの種類についてご紹介します。
自社印刷でコスト削減ができる
ポスターなどの制作物を自社で印刷すると、外注で印刷を依頼するよりもコストを削減できます。
特におすすめなのは、小ロットの制作物が多いケースです。この場合に適しているのが原版を作成しないインクジェット印刷で、少数の印刷を安く仕上げられる特徴があります。
自社印刷に切り替えることで、金銭的なコストと時間的なコストの両方が削減可能です。
金銭的なコストの削減
印刷を外注で依頼する場合、インク代や用紙代といった印刷費用に加えて外注先のマージンもコストに上乗せされるため、総合的なコストが高くなります。これを自社印刷に切り替えるとマージンをカットできるため、印刷コストを安く抑えられます。制作物の依頼を受ける際も、コストを抑えた分リーズナブルな価格設定ができるようになります。
自社印刷を始めるにあたっては、設備の導入や人員の確保などの初期投資は必要です。ただし、長く自社印刷を行うことを想定すれば初期投資分の回収は難しくないでしょう。
時間的なコストの削減
自社印刷におけるもう一つのメリットが、時間的なコストの削減です。外注で依頼する場合、外注先に注文し、見積もりや納期の目安などを打ち合わせで決めてから印刷作業に入ります。場合によっては外注先とのやり取りが想定以上に重なることもあり、時間的なコストがかかります。自社印刷であればこのような時間的なコストがかからず、案件一つひとつの納期を短く回すことが可能です。
また、繁忙期の場合は外注先の予定が埋まっている可能性があり、それに合わせて自社のスケジュールや業務量をコントロールしなければならないケースも考えられます。自社印刷に切り替えることで、自社ではコントロールできない外注先の都合から開放され、すぐに印刷の工程へ移れるようになります。これにより、クライアントからの急な依頼や変更にも対応しやすくなります。
インクジェットメディアに使える
塩ビメディアの特徴
インクジェット印刷では、紙や布などのインクジェットメディアにインクを吹き付け、印刷を行います。インクジェットメディアの中でも、屋外用のポスター印刷に向いているのが塩化ビニルです。塩化ビニルで作られた塩ビメディアは裏面に糊が付いており、印刷後に剥離紙を剥がして看板などの素材に貼り付けできます。
ここでは、さまざまな種類がある塩ビメディアの特徴、用途をご説明します。
白塩ビ(グレー糊)
シートの色は白地で、裏面の糊がグレー色の塩ビメディアです。色付きの糊を使用しているため、裏写りしないのが特徴です。
主な使用用途としては、裏面が見えない看板や非電飾看板などに用います。裏側を見る必要のないものなら、壁面の装飾やバイクのステッカーなど、看板以外にもさまざまな用途で活用できます。
裏白塩ビ
白塩ビと同様に下地が白く、裏面の糊が透明の塩ビメディアです。上記の白塩ビと比べると裏面がグレーではないので、建物内の窓ガラスに貼っても見映えが悪くなりません。
裏白塩ビは主に、建物の窓ガラスやガラスでできた看板、広告に使われています。裏面の糊色が広告の見映えを悪くする、裏面が人の目に触れるときに活用されている塩ビメディアです。
透明塩ビ
糊だけではなく、シート自体も透明な塩ビメディアです。透明塩ビは、ポスターを貼り付ける看板の素材の色を活用したいときなどに活躍します。例えば、アクリルなど透明な看板素材の両面に左右反転で印刷した透明塩ビメディアを貼り付けると、文字やイラストがまるで浮かんでいるように見せることもできます。そのほか、車や自転車のステッカーにも使用されます。
乳半・乳白塩ビ
乳半色もしくは乳白色の塩ビメディアで、透光性に優れているのが特徴です。内部に照明装置のある看板に使用することで、照明の光で夜でも目立つ広告看板を作成できます。なお、乳半塩ビと乳白塩ビの用途はどちらも同じですが、透明度が違うため見え方が異なります。乳半の場合は看板素材の色や模様が薄く透けるのに対し、乳白の場合は透けません。
エアフリー塩ビシートで
看板をきれいに作成
エアフリー塩ビシートは、看板素材に貼り付けるときに気泡が発生してもすぐに取り除ける塩ビメディアです。
従来の塩ビシートとは違い、糊が筋状に加工されているので空気を抜きやすく、貼り付けの際に失敗しにくいよう工夫されています。もし作業の最中に気泡ができた場合でも、ヘラやスキージを使って気泡を外に押し出すことが可能です。初心者の方でも失敗が少なくきれいに貼れるので、施工ミスや材料費の削減にもなります。
インクジェットメディアを
自社印刷で活用しよう
インクジェットメディアを使った小ロット印刷なら、外注よりも自社印刷をしたほうが金銭的、時間的なコストを削減できます。インクジェット印刷の出力メディアは透明度や糊付けの色などによって種類があり、適した活用シーンが異なります。それぞれの特徴を把握して、自社印刷にぜひ活かしてください。
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