看板の選び方ガイド
看板は、店舗や施設の存在を知らせるだけでなく、商品・サービスの魅力を伝え、お客様を店内へ案内する重要な役割を担っています。適切な看板を設置すれば、認知度の向上や来店促進、ブランドイメージの形成にもつながります。
一方で、看板にはA型看板、電飾看板、デジタルサイネージ、壁面看板など多くの種類があり、それぞれ特徴や適した設置場所が異なります。見た目だけで選ぶのではなく、「誰に」「何を」「どこで伝えるか」を整理したうえで選ぶことが大切です。
ここでは、看板の種類や特徴を紹介しながら、目的、設置場所、デザイン、素材、予算などの観点から、効果的な看板の選び方を解説します。
1.看板選びで最初に確認したいポイント
看板を選ぶ際は、最初に設置する目的を明確にしましょう。目的が曖昧なまま看板を製作すると、情報量が多くなりすぎたり、必要な場所から見えなかったりして、十分な効果を得られない可能性があります。
看板を設置する目的を決める
看板の主な目的には、店舗の存在を知らせる、通行人を店内へ誘導する、商品やメニューを紹介する、営業時間を案内する、企業や店舗のイメージを伝えるといったものがあります。
例えば、店舗前を歩く人にメニューを見てもらいたい場合は、A型看板やメニュースタンド、手書き看板・黒板ボードが適しています。遠くを走る車から店舗を見つけてもらいたい場合は、ポールサインや壁面看板など、サイズが大きく視認距離を確保できる看板が向いています。
誰に見てもらうかを考える
歩行者、自動車の運転者、施設の利用者など、看板を見る人によって適切な大きさや設置位置は異なります。
歩行者向けの看板は、近い距離から読むことを想定して、商品情報やメニューなどを掲載できます。一方、自動車から見る看板は、短時間でも内容を理解できるように、店名や業種、方向などの情報を大きく簡潔に表示する必要があります。
伝える情報に優先順位を付ける
看板に多くの情報を入れれば、伝わりやすくなるとは限りません。店名、業種、商品名、価格、営業時間、電話番号などから、目的に応じて必要な情報を絞り込みましょう。
最も伝えたい内容を大きく表示し、補足情報との間にメリハリをつけることで、短時間でも理解しやすい看板になります。
2.設置場所に合った看板を選ぶ
看板の効果は、種類だけでなく設置場所によっても大きく変わります。屋外か屋内か、店舗前か建物上部か、歩行者向けか自動車向けかを確認し、設置環境に合った看板を選びましょう。
店舗入口や歩道付近に設置する場合
店舗入口では、A型看板、直立看板、L型看板、樹脂スタンド看板などの自立式看板が使いやすいでしょう。移動できる製品が多いため、営業時間中だけ設置し、閉店後は店内へ収納することも可能です。
飲食店では、メニュースタンドや手書き看板・黒板ボードを使用すると、メニューや価格、本日のおすすめなどを分かりやすく案内できます。内容を頻繁に変更する店舗にも適しています。
ただし、店舗前に設置する場合は、通行の妨げにならない位置を選び、転倒や飛散を防ぐための対策も必要です。
建物の壁面や高い位置に設置する場合
店舗名や企業名を大きく表示したい場合は、壁面看板が適しています。建物の外壁を利用するため、広い表示面を確保しやすく、店舗の存在を遠くから伝えられます。
袖看板や突き出し看板は、建物から道路側へ向かって垂直に設置する看板です。建物と平行に歩いている人からも見えやすく、店舗が並ぶ通りやテナントビルでの案内に向いています。
なお、袖看板と突き出し看板は同じような意味で使われることがあります。一般的には、袖看板は縦長のものが多く、突き出し看板は壁から突き出して設置する看板全般を表します。
遠くから店舗を見つけてもらいたい場合
ロードサイド店舗や大型施設では、ポールサインが効果的です。高い位置に表示面を設置するため、走行中の自動車からも認識しやすくなります。
壁面看板や大きなチャンネル文字も、建物そのものを目印として認識してもらいたい場合に適しています。夜間の視認性が必要な場合は、照明や内蔵LEDを組み合わせるとよいでしょう。
店内や施設内に設置する場合
店内の案内には、プレート看板、吊り下げ看板、パネルスタンド、デジタルサイネージなどが使用されます。
プレート看板は、受付、化粧室、会議室、立入禁止などの固定的な案内に適しています。吊り下げ看板は床面を使わずに設置できるため、商業施設や売り場の案内に便利です。
展示会やイベント会場では、パネルスタンドやイーゼルスタンドを使うことで、商品説明や会場案内を見やすく掲示できます。
3.目的別に見る看板の種類と特徴
看板には、それぞれ得意な用途があります。設置目的と看板の特徴を照らし合わせながら、自店に適したものを選びましょう。
| 看板の種類 | 特徴 | 主な使用例 |
|---|---|---|
| A型看板 | A字形の自立式で、移動や収納がしやすい看板です。 | 店舗入口、メニュー案内、キャンペーン告知 |
| 電飾看板 | 照明によって表示面を明るくし、夜間でも見やすい看板です。 | 夜間営業の店舗、飲食店、商業施設 |
| デジタルサイネージ | 画像や動画を表示でき、内容を柔軟に変更できます。 | 商品広告、受付案内、施設情報 |
| 直立看板 | 垂直に立つ自立式で、設置面積を抑えやすい看板です。 | 店頭案内、営業時間表示、誘導 |
| L型看板 | 壁際にも設置しやすく、片面表示に適しています。 | 店舗入口、受付、展示会 |
| 手書き看板・黒板ボード | チョークやマーカーで表示内容を書き換えられます。 | 日替わりメニュー、おすすめ商品の紹介 |
| 樹脂スタンド看板 | 比較的軽量で、注水式ウエイトを備えた製品も多い看板です。 | 駐車場、進入禁止、施設案内 |
| メニュースタンド | メニューや案内用紙を読みやすい位置に掲示できます。 | 飲食店、ホテル、結婚式場 |
| 吊り下げ看板 | 天井や軒下に設置でき、床面のスペースを使用しません。 | 売り場案内、商店街、駅構内 |
| アイアン看板 | 重厚感があり、アンティーク調の表現に適しています。 | カフェ、美容室、雑貨店 |
| ネオン看板 | 発光によって、印象的で華やかな演出ができます。 | バー、飲食店、アパレルショップ |
| 工事看板 | 注意事項や工事内容を分かりやすく表示する看板です。 | 建設現場、道路工事、立入禁止区域 |
| エア看板 | 空気で膨らませる大型看板で、遠くからでも目立ちやすいのが特徴です。 | イベント、展示場、オープン告知 |
| ポールサイン | 高い位置に設置でき、遠距離からでも見つけやすい看板です。 | ロードサイド店舗、病院、大型施設 |
| プレート看板 | 板状で、壁や扉、フェンスなどに取り付けやすい看板です。 | 社名表示、室名札、注意表示 |
| イーゼルスタンド | パネルや黒板を立て掛けて使用できます。 | メニュー、ウェルカムボード、展示会 |
| パネルスタンド | 印刷パネルやポスターを交換しやすい看板です。 | セミナー、受付、商品案内 |
| チャンネル文字 | 文字やロゴを一文字ずつ立体的に製作します。 | 店舗正面、ビル外壁、企業ロゴ |
| 木製サイン | 木の温かみや自然な雰囲気を表現できます。 | カフェ、宿泊施設、キャンプ場 |
| OPEN/CLOSEサイン | 店舗の営業状況を簡潔に伝えられます。 | 飲食店、美容室、小売店 |
| レジン製サイン | 立体的で装飾性のある形状を表現しやすい看板です。 | 店舗ロゴ、表札、室内装飾 |
| 袖看板 | 建物から垂直に張り出し、歩行者から見つけやすい看板です。 | テナントビル、商店街、路面店 |
| 突き出し看板 | 壁面から道路や通路側へ突き出して設置します。 | 飲食店、薬局、病院、店舗案内 |
| 壁面看板 | 広い表示面を確保でき、店舗の存在を伝えやすい看板です。 | 店舗名、企業ロゴ、サービス案内 |
デザインや素材を選ぶ際には、ターゲットとなる顧客層を意識することも大切です。
来店を促したい場合
通行人の来店を促す場合は、A型看板、直立看板、L型看板、手書き看板・黒板ボードなどが適しています。入口付近でメニュー、価格、キャンペーン情報を伝えることで、入店前の不安を減らし、店舗に興味を持ってもらいやすくなります。
期間限定のイベントやセールでは、エア看板も効果的です。サイズや動きによって注目を集めやすく、普段とは違う催しが行われていることを伝えられます。
夜間の視認性を高めたい場合
夜間営業の店舗では、電飾看板、ネオン看板、照明付きのチャンネル文字などが候補になります。
電飾看板は表示内容を読みやすく照らせるため、店名やメニューの案内に適しています。ネオン看板は、情報を伝えるだけでなく、店舗の雰囲気づくりにも役立ちます。落ち着いた印象、レトロな印象、華やかな印象など、店舗のコンセプトに合わせて選びましょう。
ブランドイメージを伝えたい場合
デザイン性を重視する場合は、チャンネル文字、アイアン看板、木製サイン、レジン製サインなどが適しています。
高級感を演出したい場合は立体的なチャンネル文字、アンティーク調の店舗にはアイアン看板、自然で温かい雰囲気を出したい場合は木製サインというように、内装や外観との統一感を考えることが大切です。
情報を柔軟に変更したい場合
表示内容を頻繁に変更する店舗や施設には、デジタルサイネージが向いています。時間帯に合わせてメニューや広告を切り替えたり、静止画と動画を組み合わせたりできるため、複数の情報を効率的に発信できます。
低コストで手軽に内容を変えたい場合は、手書き看板・黒板ボードや、印刷物を交換できるパネルスタンドも選択肢になります。
4.視認性を高めるデザインと素材の選び方
看板は、設置しただけで必ず見てもらえるわけではありません。周辺環境に埋もれず、必要な情報が短時間で伝わるデザインにすることが重要です。
文字は読みやすさを優先する
看板の文字は、設置場所からの距離を考えて大きさを決めます。遠くから見る看板ほど、文字を大きくし、情報量を少なくする必要があります。
装飾の多い書体や細すぎる文字は、遠くから見たときに読みにくくなることがあります。店名など一部に個性的な書体を使用する場合でも、営業時間や案内文には読みやすい書体を使うとよいでしょう。
色の組み合わせにコントラストをつける
文字と背景の色が近いと、デザイン性が高くても内容を読み取りにくくなります。明るい背景には濃い文字、暗い背景には明るい文字を組み合わせるなど、十分なコントラストを確保しましょう。
店舗のイメージカラーを使用することも大切ですが、周囲の建物や既存の看板と同化しないかを確認する必要があります。
店舗の雰囲気とデザインを統一する
看板は、店舗の第一印象を左右します。外観、内装、ロゴ、商品パッケージなどと色や書体を統一すると、ブランドイメージが伝わりやすくなります。
例えば、自然素材を扱う店舗には木製サイン、クラシックなカフェにはアイアン看板、現代的な店舗にはチャンネル文字やデジタルサイネージなど、コンセプトに合った看板を選ぶと効果的です。
設置環境に合った素材を選ぶ
屋外看板には、雨、風、紫外線、気温の変化に耐えられる素材が必要です。屋内向けの素材を屋外で使用すると、色あせや変形、腐食などが起こりやすくなります。
沿岸部では塩害、風の強い場所では転倒や飛散、日差しの強い場所では退色についても考慮しましょう。見た目だけでなく、使用期間や設置環境を伝えたうえで素材を選定することが大切です。
5.予算とメンテナンスを考えた看板の選び方
看板の費用は、サイズ、素材、印刷方法、照明の有無、施工内容などによって異なります。製作時の価格だけでなく、設置後にかかる費用も含めて検討しましょう。
初期費用だけで判断しない
低価格の看板でも、短期間で劣化し、何度も交換することになれば、結果として費用が高くなる場合があります。長期間使用する壁面看板やポールサインでは、耐久性やメンテナンス性も重要な判断基準です。
一方、短期間のイベントや期間限定キャンペーンでは、持ち運びや表示交換がしやすいA型看板、パネルスタンド、エア看板などを選ぶと、コストを抑えやすくなります。
維持費や交換費用を確認する
電飾看板、ネオン看板、デジタルサイネージなどは、電気代や機器の点検、部品交換が必要になることがあります。デジタルサイネージでは、表示するコンテンツの制作や更新にかかる費用も考えておきましょう。
手書き看板やパネルスタンドは内容を変更しやすい一方で、定期的な書き換えや印刷物の交換が必要です。誰が、どのくらいの頻度で更新するのかも決めておくと、導入後の運用がスムーズになります。
設置条件やルールを事前に確認する
屋外看板の設置では、地域の条例、建物の管理規約、道路や歩道の使用条件などを確認する必要があります。看板の大きさ、高さ、表示内容、照明方法によっては、申請や許可が必要になる場合もあります。
特に袖看板、突き出し看板、壁面看板、ポールサインなどを設置する際は、施工方法と安全性を含めて、事前に専門業者や関係機関へ確認しましょう。
6.自店に合った看板で集客と案内効果を高めよう
看板を選ぶときは、まず設置目的と対象となる人を明確にし、そのうえで設置場所、視認距離、営業時間、周辺環境を確認することが大切です。
店舗入口で商品やメニューを紹介するならA型看板や手書き看板、夜間の視認性を高めるなら電飾看板やネオン看板、遠くから店舗の存在を知らせるならポールサインや壁面看板が適しています。ブランドイメージを重視する場合は、チャンネル文字、アイアン看板、木製サインなども有効です。
また、看板は製作して終わりではありません。汚れや破損、色あせ、照明の不具合がないかを定期的に確認し、常に見やすい状態を保つことが、店舗や企業への信頼感につながります。
それぞれの看板の特徴を比較し、目的と設置環境に合ったものを選ぶことで、店舗の認知度を高め、来店や問い合わせにつながる効果的な看板を設置できるでしょう。
