簡単に作成できるタペストリーは、印刷方法や生地の組み合わせ次第で仕上がりのクオリティが異なります。お店をアピールするには、多くの人々の注目を集められる魅力的なタペストリーが必要です。そこで、どのような印刷方法を選べば良いのか、どのような生地を選べばデザインが映えるのかを確認しましょう。タペストリー印刷での業者とのトラブルを避けるために把握しておくべき注意点と併せてご紹介します。
目的別で使い分けよう
タペストリー印刷の方法
タペストリー印刷の方法は多種多様で、理想通りに仕上げるにはそれぞれの特徴をある程度把握しておくことが大切です。どの印刷方法がどのような印刷物に適しているのかをご紹介します。
インクジェット印刷
インクジェット印刷は、インクを微細な粒子にして生地へスプレーする印刷方法です。直接プリントする印刷方法のため、ダイレクトプリントとも呼ばれます。
版板の製作が不要で、少数生産に対応できます。また、印刷できる生地の種類が多く、色数の豊かな印刷物を鮮明に再現できるので、写真やイラストを掲載するタペストリーに向いています。
溶剤印刷
溶剤印刷とは塩化ビニルフィルムやターポリンといった特定の生地に、油性のインク(溶剤)をプリントする方法です。溶剤は有機溶剤をベースに作られていて、水性のインクに比べて生地との密着が強い反面、油性インク特有の刺激臭があります。
色あせしにくい性質を持つので、ショップのロゴやモチーフデザインをプリントしたものなど、長期間使い続けるタペストリーを作成する際におすすめです。
ラテックス印刷
ラテックス印刷は、水性ベースのインクを使った印刷方法です。水性ベースのインクは臭いや有害物質が出ず環境や人に無害なので、飲食店や医療機関での使用に適しています。
さらに、ラテックス印刷で作られた印刷物は発色が良く色あせしにくいため、屋外と屋内どちらでも使用できます。印刷物の寿命をより延ばすには、ラミネートフィルムで印刷面を保護するのが効果的です。
昇華転写
昇華転写はインクジェット印刷と同様のプリンターを使って、分散染料のインクをスプレーする印刷方法です。ただしインクジェット印刷と違い、転写紙とヒートプレス機を用いてインクを転写します。
印刷できる生地が化学繊維に限定されるのが難点ですが、写真やイラストを入れて画像的にクオリティの高いタペストリーを作りたい場合に向いています。
タペストリー印刷に使われる
6種類の生地
タペストリーの印刷に使われる生地は、主に以下6種類です。それぞれの性質を確認しましょう。
厚手合成紙
厚手合成紙は屋内で使用できる丈夫なタペストリーを作りたい人におすすめで、耐用年数は約1~2年です。水に濡れても形状が変わりにくく、衝撃に強いという特徴を持ち合わせています。また、発色が良いので写真やイラストを鮮明に再現できるのもメリットです。
ターポリン
ターポリンはポリエステルやナイロンを合成樹脂でコーティングした生地で、雨や汚れに強く頑丈なので日よけのテントや野積みシート、横断幕などにも使われています。外壁に設置できるほど丈夫なので、雨天時や強風時でも屋外で使用できるタペストリーを作りたい人におすすめで、耐久年数は約2~3年です。かつ両面プリントが可能な遮光ターポリンもあります。
メッシュターポリン
メッシュターポリンは、生地に無数の細かい穴が加工されているため通風性が高く、強風でも破損しにくいという特徴があります。風の強い場所や、高所の屋外で使用できるタペストリーを作りたい人におすすめで、耐久年数は約2~3年です。
ポンジ
ポンジはポリエステル素材の生地で、薄くて軽いため、持ち運びしやすいタペストリーを作りたい人におすすめです。印刷面が裏側から透けて見えやすいため、片面印刷でありながら両方向に印刷内容をアピールできます。耐久年数は少し短めで約3~6ヶ月ですが、生地のなかでも安価という魅力があります。
トロピカル
トロピカルはポリエステル素材の生地で裏抜けしにくく、ポンジと比べると厚手で耐久性が高いという特徴があります。風合いが印象的で、タペストリーの他に屋外用のぼりにも向いています。湿気に強く保管にも適したタペストリーで、耐久年数は約2~3年です。
トロマット
トロピカルはポリエステル素材の生地で、トロピカルよりも厚みがあるのが特徴です。また発色に優れており、細かい文字や柄、複雑なデザインを鮮明に反映できるため色数の多い写真入りのタペストリーに適しています。頑丈なので屋外で使う大型タペストリーにも使用でき、シワがつきにくく折り畳んで保管できるため、シーズンごとに切り替えたい場合などにおすすめです。耐久年数は約2~3年です。
タペストリー印刷の注意点
タペストリー印刷を依頼する際には、トラブルが起こらないよう以下の点を確認しましょう。
デザインの要望に対して充分なサポートが
あるか
業者によっては、タペストリーと併せてショップのロゴやキャッチコピーを作成してもらうことができます。他にもAiデータがない場合でも高画質なjpgデータがあれば対応してもらえたり、デザイン完了後のデータを確認できたりと、業者によりサポート内容が異なります。後にトラブルが発生しないよう、事前に把握しておきましょう。
インクの色調と生地の相性に問題がないか
布系の生地は性質上、インクの色によっては再現が難しい場合があります。とくに青系の色やインクの色濃度が非常に高いもの・低いもの、グラデーションや濃淡があるものは、素材や印刷機などにより発色が変わる可能性が高いといえます。業者が扱っている色見本帳を参考に、希望するインクの色情報を正確に伝えるようにしましょう。
データを作成する際の専用テンプレートが
あるか
データ入稿で印刷内容の情報を送る場合、依頼する業者によっては指定した描画ツールやファイル形式、データサイズでデザインを作成する必要があります。事前に公式サイトで作成の手順を確認するのはもちろん、専用のテンプレートをダウンロードしておきましょう。
最高のタペストリーを作るには
業者との連携が大事
理想通りのタペストリーを完成させるには、印刷用法や生地の特徴を知ることが大切です。タペストリーのデザインに関する明確なイメージを伝えれば、ベストな印刷方法や生地の組み合わせなどを業者から提案してもらうことも可能です。加えて作成を依頼する際は、業者のサポート内容もチェックしておく必要があります。
お店の魅力がしっかりと伝わる理想のタペストリーを作成するためにも、上記を押さえておきましょう。
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