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展示会はイベントの一種ですが、商品を比較する展示会と、時間指定の体験イベントでは、必要な表示が変わります。違いを看板制作に落とし込むには、「誰が、どこから見て、次に何をするか」を決めることが出発点です。
この記事では催しの分類を詳しく説明するのではなく、表示内容、文字サイズ、案内位置、原稿の確認方法に絞って解説します。
表示内容を整理しながら、設置場所に合う商品もご確認ください。
1.展示会は商品理解、体験イベントは参加案内を整理する
表示の役割を3つに分ける
確認したいポイント:同じ看板をそのまま使い回せるでしょうか。
結論:共通のブランド表示は活用できますが、来場者に求める行動に合わせて案内を変えます。
| 役割 | 商品展示が中心の場合 | 体験企画が中心の場合 |
|---|---|---|
| 存在を知らせる | 社名・扱う商品・解決できる課題 | 企画名・体験できる内容 |
| 内容を説明する | 仕様・比較項目・用途 | 参加条件・所要時間・手順 |
| 行動を案内する | 実演・相談・資料配布の場所 | 受付・待機・参加入口 |
展示会でも予約制の実演を行うなら時間表示が必要です。表は催しの名称ではなく、実際の運営に合わせて使い分けてください。
2.見る距離を決めて情報量を調整する
遠くの見出しと手元の説明を分ける
結論:遠くから読む面には主題を絞り、細かな説明は近づいて読む面に移します。
例えば通路の5m先から見せる面は「何を扱うブースか」、1m程度で読む面は「商品の特徴や使い方」という役割にします。5mと1mは設計を考えるための例で、会場の寸法を測って設定してください。
見出しを大きくしても、前に人が立って隠れる位置では機能しません。真正面だけでなく斜めからの見え方と、スタッフが立った状態も確認します。

3.文字サイズはptだけでなく実際の文字高で確認する
公的な案内サインの参考値を使う
確認したいポイント:5m先から読む文字は、何ptにすればよいのでしょうか。
結論:一律のpt数で保証せず、印刷後の文字高と実際の読みやすさで決めます。
国土交通省の2016年の調査報告書では、既存の案内サイン指針を整理した表に、次の和文文字高の目安が掲載されています。
| 見る距離 | 和文文字高の参考値 |
|---|---|
| 1~2m | 9mm以上 |
| 4~5m | 20mm以上 |
| 10m | 40mm以上 |
出典:国土交通省「大規模ターミナルにおける連続的・一体的な誘導案内のあり方に係る調査」報告書、本文24ページ(PDF28ページ)。これは交通施設の案内サインに関する参考値で、展示会の統一規格や、誰でも読めることを保証する数値ではありません。
100ptと文字高約35mmは同じ意味ではない
DTPで用いる1pt=1/72インチの換算では、100ptのフォントサイズは約35.3mm、70ptは約24.7mmです。ただし、これはフォントの設計上のサイズで、印刷された文字の黒い部分の高さとは一致しません。書体・文字・出力倍率で見え方が変わるため、最終原稿を実寸で出して判断しましょう。

4.案内サインは迷う場所の手前に配置する
展示を見る流れと参加する流れを区別する
結論:場所を示す看板は、選択や方向転換が必要になる位置から見えるようにします。
展示会では相談場所や実演場所への案内、体験イベントでは受付と待機場所の区別が重要です。受付の真上だけに表示しても、列の後方から人に隠れる場合があります。
例えば入口から受付までに2か所の分岐があるなら、それぞれで進む方向が分かるか確認します。「分岐が2つなら必ず看板2枚」という意味ではなく、壁面表示やスタッフの案内も含めて判断します。

背景面に主題をまとめ、受付や実演の案内を別の面で伝える方法もあります。
5.縮小校正と実寸テストを使い分ける
縮小率に合わせて見る距離も変える
結論:縮小校正は配置の比較に使い、最終判断は実寸で行います。
原寸の1/5に縮小した原稿を1mから見ると、幾何学的には原寸を5mから見る場合と同じ視角になります。計算は「確認距離=想定距離×縮小率」で、5m×1/5=1mです。
ただし、紙の質感、印刷解像度、反射、照明まで再現できるわけではありません。重要な見出しは原寸で印刷し、実際に想定する距離で、内容を知らない人にも読んでもらいます。文字が読めるかと、意味が伝わるかを別々に確認してください。
6.発注前は更新情報と設置条件を照合する
共通情報と会期ごとの情報を分けて管理する
社名や商品名は共通原稿、日時・会場名・小間番号は会期ごとの原稿として管理すると、修正漏れを見つけやすくなります。固定部分と差し替え部分を先に決めれば、次回の準備にも使えます。
- 開催日・開始時刻・場所が運営資料と一致している
- 商品説明の数値が確認済みの仕様と一致している
- QRコードが最終の印刷サイズで読み取れる
- 表示面と土台が設置可能な範囲に収まっている
- 会場の素材・固定方法・高さの条件を確認している

展示会とイベントの違いは、看板の種類だけでなく、伝える内容と見る場面に表れます。目的、距離、文字高、設置位置の順に決め、実寸で確かめてから発注しましょう。
