インクジェットメディアは印刷の主流?ポスター制作に適した選び方
ポスターを制作するときは、仕上がりの質や納期の早さ、コストなどの要件を総合的にみて依頼内容を決定します。これらの要件を適切に判断するためには、印刷方式や使用する印刷用シートの違いについて理解しておくことが大切です。例えば、看板用のポスター制作に向いているのはインクジェット方式だといわれていますが、インクジェット方式で使われるシート「インクジェットメディア」にもいくつかの種類があり、仕上がりが異なります。そこで今回はポスター制作を検討中の方に向け、主な印刷方法やシートの違い、その中でもインクジェットメディアの種類について比較紹介します。
インクジェット方式とトナー方式の違い
印刷方式は使用するインクの違いによって、インクジェット方式とトナー方式の2種類に分類されます。ポスター制作の場合におすすめなのは、インクジェット方式です。ここでは、それぞれの仕組みと適しているケースを比較します。
インクジェット方式の仕組み
インクジェット方式は、印刷媒体に極小のインクを吹き付ける印刷方式です。さらに細かく分類すると、加熱で気泡を発生させインクを噴射する方式、電圧によりインクユニットに圧力をかけてインクを噴射する方式、超音波発信機を使った方式の3種類があります。
インクジェット方式の特徴は色の再現性が高い点にあります。きれいな仕上がりになるため、ポスターなどの色合いが重要な印刷にはインクジェット方式がおすすめです。なお、このインクジェット方式で使用する印刷用紙のことを「インクジェットメディア」と呼びます。
トナー方式の仕組み
トナー方式はレーザーを使い、トナーと呼ばれる塗料を転写する印刷方式です。溶けたトナーが付着しないようにオイルを塗ることがあるため、機種によっては印刷物の表面にテカリが出ることがあります。そのため、表面加工が必要な印刷には適していません。メリットは高速で印刷できることで、大量の印刷物を低コストで仕上げたいときに有利です。このような特徴から、色合いがそれほど重要ではない書類などの印刷に適しています。
インクジェットメディアの種類と選び方
先にご紹介したように、インクジェット方式で使用する印刷用シートのことを「インクジェットメディア」と呼びます。特に幅が長くロール状になっているものを指し、大型のインクジェットプリンターで印刷します。「インクジェットメディア」の名称は主に看板制作の現場で使われるもので、他には「ロール紙」と呼ばれることもあります。インクジェットメディアの主な種類は、塩ビフィルム・紙・ターポリンの3つです。
塩ビフィルム
看板用のポスターなど屋外用の印刷物では塩化ビニルでできたフィルムが主流です。一般的にインクジェットメディアと言えば、塩ビフィルムのことを指します。塩ビフィルムは、紙製などの他メディアに比べ対候性に優れていることが特徴です。そのため、屋外向け看板の他、車両のマーキングなどにも適しています。裏に糊がついており、温めると柔らかくなって貼付しやすいことも屋外向け看板などに向いている理由の一つです。
紙
紙製のインクジェットメディアは他のインクジェットメディアに比べてコストが低く、主に高い耐候性を必要としない屋内での掲示やイベントの告知など、短期間の掲載に使用されます。耐候性や耐久性は高くなく、水性インクを使用することが多いため、屋外で長期間掲示する場合には不向きです。
ターポリン
ターポリンは防水布という意味で、ポリエステル系の繊維で作られています。その名前通り、ターポリンは防水性能が高く、さらに防炎性能や耐久性が高いことも特徴です。これらの特徴から、横断幕や屋外広告などに使用されます。ポスター印刷でも、雪や雨が多い地域など、掲示する際に強い耐久性が必要な場合に適しています。
印刷する部数と納期にあわせた選び方
印刷する部数や納期によって、適した印刷方法は異なります。ここでは、デジタルデータを直接出力するオンデマンド印刷、版を製作するオフセット印刷、どちらがポスター印刷に向いているか比較します。
仕上がりの早さ
まずは仕上がりの早さを比較します。オンデマンド印刷とは、デジタルデータを取り込み、プリンターへデータを送って印刷する方法のことです。「On demand=要求に応じて」という意味の通り、注文に応じてスピーディーかつ少部数で、必要なときに必要な分だけできます。
一方、オフセット印刷は「offset=付けて離す」という意味で、印刷版にインクを付けてゴムなどのブランケットに移送させてから、紙に転写する方式です。オフセット印刷は最初に版を製作する必要があり、インクが乾燥するのを待たなければならないため、オンデマンド印刷と比べると仕上がりに時間がかかります。仕上がりの早さを求める場合は、オンデマンド印刷を選びましょう。
適した納品部数
次に、適した納品部数について比較します。オンデマンド印刷では、印刷会社にデジタルデータを入稿するだけで印刷できるため、コストを抑えた少部数印刷が可能です。内容の差し替えも容易なため、デザインの変更にも柔軟に対応できます。ただし部数が増えるごとにコストも割高になっていくため、数百枚単位までの少部数に適しています。
一方のオフセット印刷は、一度版を作ることで繰り返し使うことができるため、数千枚単位の大量印刷に適した方法です。ただし、新しいデザインに切り替えたい場合や修正したい場合は、新しく版を作らなければなりません。
数千枚など大量の印刷が必要ならオフセット印刷を選び、少ない部数でコストを抑えたいならオンデマンド印刷を選びましょう。
インクジェットメディアを活用すれば低コストの印刷ができる
インクジェット・オンデマンド印刷の組み合わせは、少部数・低コストの印刷に向いているため、ポスターや看板製作などに適しています。誉PRINTINGでは、さまざまな種類のインクジェットメディアと加工を取り扱い中です。ポスターの掲載場所や必要部数に応じて、最適なご提案をさせていただきます。ポスター制作をご検討中の方は、ぜひ気軽にお問い合わせください。
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